毎日の習慣である歯みがき。当たり前のように行なっているけれど、よく考えてみると、自分や家族以外の人がどのようにしているのか、知る機会は意外と少ないですよね。「適切な歯みがきの時間は?」「正しいハブラシの当て方は?」など、この記事では知っているようで実は知らない「歯みがきの基本」を大全としてまとめています。小さな疑問をスッキリ解決していきましょう!
特に大切なのは「夕食後・就寝前」の歯みがき
歯みがきの効果的なタイミングについては諸説ありますが、基本的には「食事をしたら、なるべく早めに歯みがきする」ことがおすすめです。
むし歯や歯周病を予防するという観点から考えた場合、歯みがきの主な目的は歯についたプラーク(歯垢)を取り除くことです。プラークとは、食べ物の残りかすを栄養とする細菌の塊のこと。つまり、プラークを増やさないためには、お口の中にある食べ物の残りかすを早めに掃除する必要があるわけです。
なので、基本的には朝食、昼食、夕食後の1日3回、可能であれば、おやつを食べたあとにも歯みがきをするよう心がけると良いでしょう。
歯みがきのタイミングに敢えて優先順位をつけるとすれば、特に大切なのが夕食後、または就寝前の歯みがきです。なぜなら、睡眠中は唾液の分泌が減るためお口の中が乾燥しやすく、むし歯や歯周病の原因となるプラークが特に付着しやすい環境になるからです。
その際、ハブラシだけでなくデンタルフロスや歯間ブラシなどの歯間清掃用具を併用すれば、さらにしっかりと汚れを取ることができるでしょう。
▼食後30分以内の歯みがきはNG?OK?より詳しい内容はこちら▼
https://www.club-sunstar.jp/article/column/oral/3278/
なによりも丁寧に1本ずつみがくことがポイント!
多くの歯科医師や歯科衛生士が推奨する1回の歯みがきにかける時間は「3分」です。その理由は、歯の本数に関係しています。
一般的に、大人の歯(永久歯)は28本、親知らずを含めると32本生えています。それぞれの歯を1本ずつ丁寧にみがくために必要と考えられる時間の目安が3分、と考えられているのです。
ただし、この時間はあくまでも目安。歯並びや口内の形状、さらには手先の器用さなどによっても、きれいにみがける時間は異なります。まずは、1本ずつ丁寧にみがくことを心掛けるようにしましょう。
▼効果的な歯みがきの方法もわかる!より詳しい内容はこちら▼
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どの歯も、ハブラシは小さく動かし、1本1本丁寧にみがこう
プラークが残らないよう、それぞれの歯にハブラシの毛先が届くように意識しながら歯をみがくことはとても重要です。
むし歯予防、歯周病予防など、目的を問わずすべての分野に共通する基本的なブラッシング方法をご紹介します。
【奥歯の噛み合わせ面】
ハブラシを前後に大きく動かしても、噛み合わせの溝はみがけません。毛先を水平に当て、ブラシの先を噛み合わせの溝に入れるような気持ちで、1本ずつ丁寧にみがきましょう。
一番奥の歯は、ハブラシが当たりにくいので、角度を変えて横から、奥からとしっかりみがくよう意識してみてください。
【歯の表側】
歯の表面をみがくときには2つの方法があります。
①スクラビング法
ハブラシの毛先を歯の面に直角に当てるみがき方。歯茎が健康な方におすすめです。
②バス法
歯茎に対して、約45度の角度で毛先を当てるみがき方。より歯の根本のプラークが落とせるため、歯周病の方、その予防をしたい方におすすめです。
いずれもハブラシは左右に小さく小刻みに動かすようにしましょう。
【奥歯の裏側】
下から上にブラシを動かす方が多いかもしれませんが、それでは歯の溝までしっかりとみがけていません。奥歯の裏側は、前後に小さく動かしながらみがきましょう。
また、ハブラシを少し斜めに当てると根本までしっかり毛先が届きます。ブラシの角の部分を使って上下に小さく動かしながら、1本ずつみがいてみてください。
特に、利き手側の奥歯の裏側はみがき残しが多くなりがちなので、よく注意しましょう。
【前歯の裏側】
実は、プラークと歯石がつきやすいのがこの場所の歯です。
ハブラシを横に動かしたり、歯の先端だけみがいたりしてもあまり効果はありません。
前歯の裏側は、ブラシの角の部分を使って歯と歯茎の間や歯と歯の間を。さらに、ブラシの平らな面を使って、歯の裏側まできれいにみがきましょう。
このように、それぞれの歯の場所によって、みがき方の違いを意識するとさらに効果的に歯みがきができるでしょう。ただし、お口の状態によってご紹介した以外のみがき方が良い場合もあるので、心配な点は歯医者さんなどで相談しながら、自分に合う歯みがき方法を見つけてください。
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ポイントを押さえて、効果的な歯みがき習慣を!
効果的に歯をみがくために、気をつけたいポイントは以下の4つです。
■ポイント①「1本ずつみがく」という意識を持つ
歯みがきをする際に、いちばん大切なのは「1本ずつみがく」という意識を持つことです。いくら時間をかけてみがいても、複数の歯をまとめてブラッシングするような方法では、みがき残しが出てしまいます。できれば、鏡を見ながら1本ずつ丁寧にみがくようにしましょう。
■ポイント②ハブラシの毛先を歯に当てるように心がける
効果的な歯みがきをするためには、ブラッシングの力加減も重要です。強くこすりすぎては逆効果になることも。
ハブラシの種類にもよりますが、基本的には、ハブラシの毛先が歯にあたる程度がもっとも汚れを落としやすい力加減といえます。
■ポイント③みがく順番を決めておく
しっかりみがいているつもりでも、同じ場所ばかりみがいていたらみがき残しが出てしまいます。みがく順番を決めて、1本ずつ丁寧にみがく意識を持つことで、みがき残しを減らすことができるでしょう。
みがく順番は、唾液が分泌しづらい上の歯からがおすすめ。上の表側→上の裏側→下の表側→下の裏側など、自分のみがきやすい順番を工夫すると良いでしょう。
■ポイント④みがき残しがないかチェックする
ハブラシだけで歯みがきをした場合には、完全に汚れを落とすことがなかなか難しいと思います。
そこでおすすめしたいのが、歯みがきの後にみがき残しをチェックすることです。
もっとも手軽な方法は、舌の先を歯にあててザラツキがないか確認するやり方。ザラツキが残っている場所を再度みがき直せば、より効果的な歯みがきができます。もちろん、歯間ブラシやデンタルフロスといった歯間清掃具を併用しても良いでしょう。
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「ペングリップ」はムダな力が入りにくい
歯の汚れを落とすために、ゴシゴシとみがきたくなる気持ちも分かりますが、実は力強くみがくことはよくない習慣といわれています。歯みがきで大切なのは、強くみがくことではなく、「みがき残しがないように1本1本丁寧にみがくこと」です。
そこで、サンスターがおすすめする持ち方は、エンピツを持つような「ペングリップ」です。グーで握る「パームグリップ」でも良いのですが、ペングリップの方が、ムダな力が入りにくい持ち方なのです。
ペングリップでうまくみがくコツは脇をしめること。こうすると力を入れなくても、手が安定して小刻みに動かしやすくなるでしょう。
▼ペングリップを習慣化するには?より詳しい内容はこちら▼
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ソフトタッチで小刻みに動かそう
歯に付着するプラークはのり状なので、正しくみがけば、力を入れすぎなくても取ることができます。
みがくというよりも歯肉のマッサージをする感覚でやさしく、小さく小刻みに動かすと良いでしょう。その際のブラッシング圧は「150g~200g」が適正。これは、ハブラシを歯に当てた時、毛先が広がらない程度の力とされています。実はかなりソフトタッチなんですね!
もし、歯間になにか詰まった感覚があれば、ハブラシを使ってゴシゴシと掻き出すのではなく、歯間ブラシやフロスを併用してください。
▼ブラッシングの基本をおさらい!より詳しい内容はこちら▼
https://www.club-sunstar.jp/article/column/oral/2839/
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毛先が広がったら交換の合図
ハブラシを使っていると、毛先が広がったり、毛先の弾力がなくなったりするため、プラークを落とす力が弱くなってしまいます。
基本的に1日2~3回歯みがきをしている場合、1ヶ月を目安にハブラシを交換しましょう。また1ヶ月経っていなくても、毛先が広がっていたら、その時点でハブラシを交換することをおすすめします。定期的にハブラシを交換してハブラシを衛生的に保ちましょう!
「みがき残しをなくそう」「しっかりみがこう」と思うと、ゴシゴシ、強く、長時間みがくことで安心してしまうかもしれません。でも歯みがきは、やさしい力で、無駄に時間をかけず、1本1本丁寧に、が基本。
クラブサンスターでは、お口のケアに関して数多くのコラムだけでなく、動画も公開しております。是非、お役立てください。
「歯みがきの基本」をおさらいして、お口の健康を長くキープしましょう!
文:クラブサンスター編集部