コラム
2021/02/18

愛猫のお口の中のケアとトラブル。猫の歯医者さんが解説します

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2月22日は猫の日。自分や家族はもちろん、愛猫の歯やお口の中の環境のことも考えてみませんか?猫が抱えるお口の中の問題、普段のケア、動物歯科医の利用法などを、歯科診療をしている獣医さんに聞きました。

>>犬のお口の中のケアとトラブルについてはこちらの記事をご覧ください。
愛犬のお口の中のケアとトラブル。犬の歯医者さんが解説します

プロフィール

 
石田陽子(いしだ ようこ)
石田ようこ犬と猫の歯科クリニック院長。獣医師。日本小動物歯科研究会、比較歯科学研究会、日本獣医行動学研究会所属。

猫のお口の中を知るクイズ4問

まずは、猫の歯、お口の中についてのクイズです。どれぐらい知っているのか、チェックしてみましょう。人と同じ?人と違う?写真の後に正解があります。

Q1 犬の永久歯の数は、小型大型など問わずに通常42本。では猫の永久歯の数は?
1:30本 2:40本

 

Q2 猫にもある「犬歯(けんし)」。もともとの役割とは?
1:魚の骨をかみ砕く 2:獲物を捕まえる際に刺す

 

Q3 猫のお口のトラブル。多いのはどちら?ちなみに犬は歯周病です。
1:むし歯 2:歯周病

 

Q4 猫のハミガキ、正しいのはどちら?
1:ガーゼなどで拭いてあげる 2:ハブラシでみがいてあげる


牙のように生えている犬歯。もともとの猫の行動にとって、かなり大切なはたらきをしています。

人や犬と同じこと、違うこと

それでは正解です。

Q1 1:30本

Q2 2:獲物を捕まえる際に刺す

Q3 2:歯周病

Q4 2:ハブラシでみがいてあげる

ひとつずつ解説していきましょう。

Q1犬同様、猫のサイズや種類での本数の違いはありません。30本というと人間の永久歯の数(28本+親知らず4本)とあまり変わりません。小さい顔にそれだけの歯が詰まっているのです。

Q2「犬は雑食、猫は肉食。ライオンや虎と一緒です。ちなみに日本は猫というと魚を食べるというイメージですが、外国では肉が人気ですよ」。なるほど、おかかとごはんの「ねこまんま」も、人気アニメの主題歌の「お魚くわえた」というのもどうやら日本独特の猫文化なのかもしれません。

Q3猫も犬と同様ほとんどむし歯にはなりません。理由はこれも犬と同様で、お口の中がアルカリ性であるため。むし歯菌が繁殖しづらく、逆に歯周病菌が繁殖しやすい環境なのです。石田先生によれば「早い猫だと生後半年ぐらいで歯周病になってしまう」とのことで、早期に発見してあげることが大切です。

歯周病とともに猫のお口のトラブルで多いのが「口内炎」。

「お口の中じゅう真っ赤になっていてとても痛そう。ただ正直なところ、原因があまりわかっていないんです。ウイルス性疾患が関与している可能性も考えられています」

これも早めのチェックを心がけたいものです。

Q4は、これも犬と同様ハブラシを使うというのが正解。ガーゼやシートみがきなどは、プラークを歯の表面から歯周ポケットに移行させ、歯の見た目はきれいにできるけれど歯周病は悪化させてしまいます。とはいえ、猫はきまぐれで、犬のようにトレーニングで慣れさせることが難しいですよね。

この際に「猫が好きなチキンやシーフードの味がするハミガキペーストを使うことがうまくいくコツ」と石田先生。

歯みがき時間はおいしいおやつの時間と思ってもらいましょう。犬ほど歯の数もありませんから、30秒ぐらいでササっとすれば大丈夫です。まぁ、そもそも猫はそれ以上我慢してくれませんから(笑)」


ペースト以外におやつアイテムを使ってハミガキをするのもOK!

早期発見のための3つのポイント

猫のお口の環境のために「こまめに水を飲んでもらってお口の中の乾燥対策をする、ウェットタイプのフードを食べたらより歯みがきを意識する」などの習慣を心掛けたいところですが、「なんといっても早期発見。普段からお口の状態を気にしておくことが大切」と石田先生は指摘します。

「お口のトラブルに気づくポイントは、口臭、よだれ、食事の時のこぼしや顔の傾きです」

口臭は「ひどくなると生ゴミのよう」というひどい臭いになってしまうのだそうです。その前に少し生臭いかなという段階で診察してもらいましょう。そしてよだれの量が多くなったら注意が必要。ひどくなると血が混ざることもあります。食事の際にこぼす量が増えるのもサイン。また、顔を傾けて食べるというのは、お口の中の痛いほうをかばっている証拠。食べづらそうにしていたらすぐに診察を。


猫のお口診察前の身体検査の様子。

「猫も犬も人も同じで、痛くなってからではなく予防するのが必要です。動物のお医者さんでもなかなか猫のお口の中まで診てくれるところはありませんから、早めにお近くの病院で診てくれる病院を調べておいてください。そしてなにより、飼い主さんは、猫が小さい頃からお口を中心にこねくりまわしてください。(笑)もちろん大人の猫でも間にあいますよ」

猫は気まぐれなのも魅力。でも愛と心配をこめて、たまには「こねくりまわし」たり、食事の様子をじっと観察し、早めに「痛いなあ」というサインを見つけてあげてください。


楽しくハブラシできますように!

取材・記事 岩瀬大二

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