家族の健康を支える大きな要素は「食事」です。ところが、共働きなど忙しい現代では、毎日の料理も一苦労。とはいえ、ずっと外食や出来合いのお惣菜では、栄養バランスも不安です。
そんな家族を支えてくれているのが、作り置きをしてくれる家事代行。家事代行マッチングサービス「タスカジ」で作り置きが人気のYo-koさんに、やりがいや楽しみを伺います。また、簡単な作り置きレシピもご紹介します。
取材先プロフィール
- Yo-ko(ようこ)
- 小学校の給食調理や、保育園での給食(幼児食)調理に8年携わった後に、タスカジに登録。依頼数1200件を超えるタスカジさん(※タスカジでは、家事代行スタッフを「タスカジさん」と呼ぶ)としての料理歴があり、お菓子作りも定評。和え物のレパートリーは特に豊富で、訪問するほとんどの家庭で作るほどの定番メニューとなっている。パン作りが趣味。『予約が取れないカリスマ家政婦が教える「使いきり」レシピ』(宝島社)『タスカジさんが選んだ本当に使える100均アイテム100選』(主婦の友社)にも協力。
家事代行マッチングサービス「タスカジ」:https://taskaji.jp/
小さい子どものいる家庭に人気の家事代行
「家事代行」はずいぶん一般的になりましたが、タスカジさんはどのような方が利用されているんですか?
富裕層の方だけが利用されるイメージがあるかもしれませんが、タスカジは個人と個人をつなぐシェアリングサービスで、割安に使っていただけるのが特徴です。そのため、小さなお子さんがいらっしゃる共働きのご家庭が多いです。特に小学生以下のお子さんがいるケースです。
「家事代行」といっても色々あると思いますが、どんな利用の仕方があるのでしょうか?
私が登録している分野は料理の作り置きですが、お掃除でご利用される方も多いです。ほかには、整理収納など8つの業務分野があります。
3時間で15種類くらいを作り置き
タスカジWebサイト内の私のページに、家事代行で訪問できる日がカレンダーで表示されています。それを見て依頼予約してくださった依頼者様と、メッセージ機能を使って、事前のやり取りをしています。
私は作り置き担当なので、依頼者様の家族構成や好き嫌い、好みの味付けなどをお伺いしておきます。また、今まで私に頼んでくださった依頼者様のレビューが公開されているので、その中から希望のメニューがあればお伺いしています。
ハウスキーパーによりますが、私の場合は依頼者様に事前に材料を購入していただいています。事前のリクエストメニューの他、材料を見てその場でレシピを考えて作っていきます。
それはすごいですね!いきなり見て作るんですね。難しそう!
作業時間が3時間なのですが、この仕事をはじめた当初は時間配分が難しかったです。片付けが時間内に収まらなかったり…。依頼者様が「そのままでいいですよ」とおっしゃってくださり、終わらなかった分の片付けをお願いしたこともありました。
初めて見る野菜や、さばいたことのない魚を調理することもあります。その場合はスマホで検索して、調理法を調べたり、魚はさばき方も調べます。
臨機応変さが求められますね。すごいです。何種類作る、というより、時間が許す限り作るのでしょうか?
そうです。だいたい、メインのものと副菜、和え物など、あわせると15種類くらいは作るので、味付けが偏らないよういろいろな味のバリエーションを心がけています。
Yo-koさんが作った作り置きの一例。これだけあれば何日も美味しい手作り料理が食べられます。
そうですね。リクエストをたくさんいただく際は、この料理は必ず作るなど、事前に優先順位を決めていただいたりしています。
好きだからやっていることが、依頼者様の助けに
いろいろなバリエーションができるのは、やはりお仕事で調理されていたのが大きいのでしょうか?
それもあるかもしれません。ただ、得意というより好きな方が大きかったんです。タスカジの仕事を通して、自宅では作らないようなお料理のバリエーションも増えました。自宅だと家族の好き嫌いもあり、買うものが決まってしまいます。でも、依頼者様の家だと普段買わない食材があったりして楽しいんですよ。
依頼者様がレビューを丁寧に書いてくださることはとても嬉しいです。もちろん、直接「おいしかったです!」といってもらえることは喜びですね。ほかに「お料理のおかげで子どもと遊ぶ時間が取れました」と聞いたりすると、お役に立てているのだと嬉しくなります。
長い方で3~4年家事代行で伺っているお宅もあります。その間にお子さんが生まれた方もいて、つわりの時にはその方が食べられるメニューや味付けで作るようにしました。
それは!!すごくありがたいですね。つわりの時の食べ物や料理は本当に大変でしょうから。
さっぱりしたものが食べたい、とのことだったので、お酢や梅干を使って。ご主人とお子さんもいるので、別のおかずも作りました。
それは本当に至れり尽くせりですね。まさにそのご家族はYo-koさんに支えられているのでしょうね。
そういわれると嬉しいですが、私としては好きなことをやっているだけなんです。いろいろな料理を作れるのが本当に楽しい。好きなことを仕事にして、さらに「助かってます!」と依頼者様におっしゃっていただけると、自分がしていることは間違っていないんだな、と感じます。
『予約が取れないカリスマ家政婦が教える「使いきり」レシピ』(宝島社)
人気の「タスカジさん」として、さまざまな書籍にも登場しています。
簡単な作り置きおかずのレシピをご紹介
簡単な作り置きのおかずを、2品ほど教えていただいてもいいですか?
ドライカレーとピーマンのおかか煮などはどうでしょうか。ドライカレーは野菜をみじん切りにすれば小さなお子さんでも食べやすいし、たっぷり作ってもトーストやドリアに乗せるなど、いろいろな食べ方ができます。ピーマンのおかか煮は、簡単に作れるし冷凍できるのでよく作ります。和風の味付けにしています。
【レシピ】ひと皿で栄養たっぷりドライカレー
▼材料(作りやすい分量)(4~6人分)
豚ひき肉 150g
玉ねぎ 1個
人参 1/2本
ピーマン 2個
かぼちゃ 100g
トマト 1個
大豆水煮 100g
しょうが ひとかけ
にんにく ひとかけ
塩 少々
酒 大さじ2
コンソメ 1個
カレールー 2かけ
▼作り方
①玉ねぎ、人参、ピーマンはみじん切り、かぼちゃ、トマトは1cm角、しょうがとにんにくはみじん切りにする。
②フライパンにサラダ油を引きしょうがとニンニクを香りが出るまで弱火で炒める。
そこへ玉ねぎ、人参、ピーマン、塩少々を加え玉ねぎが透き通ってくるまで中火で炒める。
③そこへひき肉を加えポロポロになるまで炒める。
ポロポロになったら酒を加え炒めあわせ、かぼちゃ、トマト、大豆水煮、コンソメを加え混ぜあわせ、蓋をし弱火で7~8分煮る。(途中様子を見て焦げ付きそうなら水を大さじ1~2足す)
④かぼちゃが柔らかくなったら火を止めカレールーを入れてざっくり溶かし、再度コンロの火をつけ(中弱火)カレールーがしっかり溶けてとろみが付けば完成。
【レシピ】ピーマンのおかか煮
▼材料(4人分)
ピーマン 4~6個
しめじ 1/2袋(約70g)
ごま油 大さじ1
かつお節 適量
A
砂糖 小さじ1
しょうゆ 大さじ1/2
水 100CC
顆粒だし 小さじ1
▼作り方
①ピーマンは縦半分に切って種を取る。しめじはほぐす。
②フライパンにごま油を引きピーマンの外側を下にし焼き色がつくまで焼く。
③焼き色がついたら裏返し、しめじとAをフライパンに加え落し蓋をして弱めの中火で5分煮る。
④煮えたらおかかをまぶし出来上がり。
取材後記「好きなことをしているだけ」というYo-koさん。楽しくて好きでやっていることが人の役に立つのは、とても素敵な姿です。Yo-koさんのような家事代行の方がいなければ成り立たないご家庭も多いはず。これからの時代をますますサポートしてくれることでしょう。
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