コラム
2019/06/28

歯周病とは…〇〇病です。全身とのかかわり

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歯周病は全身にかかわる病気?

「歯周病はお口だけの病気」と考えていませんか?実は歯周病は身体の中のさまざまな病気と関連し、全身へも影響を及ぼすことが分かってきています。
ここでは歯周病という病気がどのように全身と関連しているのかを色々な側面から掘り下げてみましょう。

歯周病は細菌感染症
歯周病は細菌による感染症です。歯周病菌と、歯周病菌から守ろうとする生体防御機能のバランスが崩れると発症、進行します。
お口の中には約700種類もの菌が発見されており、そのうちの数十種類が歯周病に関連性があるといわれています。お口の中の歯周病菌が増えれば、気管から肺へ、あるいは血流にのって全身へと入り込む危険性も高まります。こうして歯周病菌が誤嚥性肺炎や細菌性心内膜炎の原因となることもあるのです。

歯周病は慢性炎症
細菌やウイルスなどの生体に害を及ぼす病原体が体内に侵入すると、生体防御機能がこれを取り除こうと働き、患部が赤く腫れたり、痛んだり、熱を出したりします。このような反応を炎症、特に急性炎症といいます。病原体が取り除かれれば、急性炎症は治まります。
炎症にはもうひとつ、慢性炎症があります。 こちらは、病原体がうまく取り除けない場合や、病原体に対する炎症反応が穏やかで痛みなどがない場合に、炎症が持続してしまうものです。
炎症に伴って身体が作り出すさまざまな物質(ここでは“炎症物質”と呼びます)は、本来は身体を守るために働くのですが、慢性炎症が起きて“炎症物質”を作り続けてしまうと身体に悪い作用を及ぼすことも。近年、糖尿病や動脈硬化は慢性炎症を伴う病気であり、その発症や進行に“炎症物質”が関係していることがわかってきました。

歯周病では多くの場合、お口の中に歯周病菌が定着し、気づかないままに慢性炎症が継続して“炎症物質”が分泌され続け、歯周組織を破壊していきます。さらに、歯周病で放出される“炎症物質”は血流にのって全身へ。また、歯周病でお口の中に歯周病菌が多い状態になると、歯周病菌の毒素が血流に侵入しやすくなり、血液中や組織の“炎症物質”が増えやすくなります。

糖尿病や動脈硬化のようにすでに身体の中に慢性炎症が起きている状態であれば、歯周病によるこれらの“炎症物質”がさらに悪影響を与えると考えられます。特に糖尿病患者は歯周病のリスクが高いことがわかっており、糖尿病と歯周病は双方向に悪影響を与えます。また、妊娠している場合には、“炎症物質”が引き金となり、早産に影響すると考えられています。

歯周病は骨の病気
歯周病が進行すると、歯槽骨が破壊されます。つまり歯周病は骨の病気でもあるのです。
骨が弱くもろくなる病気である骨粗鬆症にかかっている人は、歯周病による歯槽骨の破壊も進みやすいことが報告されています。

歯周病は生活習慣病
歯周病は喫煙、ストレス、不規則な生活習慣などとも関係しています。タバコに含まれるニコチンや過酸化物は、歯ぐきにダメージを与えたり、歯ぐきの血の流れを悪くしたりして、歯周病菌から歯ぐきを守る機能を低下させてしまうと考えられています。ストレスや疲労をためていたり、夜更かしが多かったりすると、身体が弱ってしまい生体の防御機能が働きにくくなり、歯周病のリスクを高めます。ですから、毎日のオーラルケアに加え、規則正しい生活を心がけることも重要なのです。

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