コラム
2020/07/14

知ってる?国によってこんなに違うギフトマナー

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私たちが日常当たり前にしている贈り物の数々。例えば日本の場合、夏にはお中元、年末にはお歳暮という習慣があります。国によって、さまざまな習慣やマナーの違いがあるようです。海外の贈り物について、最近の流行も含め、海外のマナーやコミュニケーションに詳しい石橋眞知子さんに伺いました。

プロフィール

 
石橋眞知子(いしばし まちこ)
A to Z Network 代表。プロデューサー、異文化コミュニケーター。大学在学中より東海ラジオ・ラジオ関東のDJ、テレビ東京のレポーターなど。その後、米国イリノイ州ノースウェスタン大学にて勉学のかたわら、日本語教師として教壇に立つ。英国にて英会話講師免許(TEFL)を取得し、美術史、アイルランド演劇などを学ぶ。日本では異文化コミュニケーションなどをテーマに講演・エッセイの執筆など。

中華系は旧正月や中秋月に贈り物がさかん

日本で贈り物といえば、クリスマスのほか、お中元やお歳暮が特徴的です。一方で、中華系の文化圏(中国・台湾・シンガポール・マレーシアなど)は、大きなイベントである旧正月(春節)を前に、ギフトを贈り合う習慣があります。

「その際には、縁起のいい赤い紙で包んだギフトが好まれます。ギフトは、お年玉のように親戚から子どもに手渡しするだけでなく、大人同士、さらには子どもから祖父母へ贈ることもあります。赤と同様に金色の包み紙も好まれますね」(石橋さん)


中華系の文化圏では、春節の頃に赤い包み紙で贈り物をします。

また、ベトナムの旧正月は「テト」と呼ばれ、大人が街で出会った子ども全員にプレゼントを配る習慣もあるそう。日本のお年玉に少し似ていますね。

「中華系の大きなイベントではもうひとつ、中秋の名月の頃(9~10月頃)に中秋節があります。その際、お世話になった方に『月餅』を贈る習慣があります。あんこが入っている日本のものと違い、肉が詰まっていたり、アヒルの卵が入っていたりします」


中秋節に贈られる「月餅」。最近は「月餅チケット」なるものも登場している。

いろいろな種類があり、どんどんバリエーションが増えているそう。毎年、ゴディバやスターバックス、ハーゲンダッツなど、各ブランドが欧米のお菓子風の月餅を発売するのだそうです。

さらに進んで、月餅を贈るのではなく、「月餅が買えるチケット」で贈り合うようにもなってきています。月餅ばかり贈り合ってもすぐに食べられないので、あとで購入できるチケットが重宝されるのだそうです。また、中国人のお返しは1.5倍が基本。義理人情が厚いのですね。

クリスマスのギフトで最近話題のシークレットサンタ

それでは、クリスマスはどうでしょうか。日本では、クリスマスは恋人と過ごす習慣のイメージがありますが、世界のクリスマスにはさまざまな祝い方があります。キリスト教徒は12月25日にギフトを交換することが多いようです。

「欧米の人たちは、日本人と違って家族や友人同士で贈り合います。また、24日をクリスマスイブ、25日をクリスマス、26日をBoxing Day(ボクシングデイ)とする国もあります。これは元々イギリス発祥の習慣で、クリスマスも仕事をしなければならなかったメイドさんや郵便配達員の方に感謝の気持ちを込めてBox(ボックス)に入れた贈り物をしていたことに由来するとか」

また、最近のクリスマスパーティでは面白いプレゼント交換の方法が広まっているそうです。シンガポールでは「シークレットサンタ」、フィリピンでは「マニータマニート」などといわれるやり方。

「クリスマスパーティーの前に、くじ引きで、誰にプレゼントを贈るかを皆で決めておきます。そのくじに書かれた人に、決められた予算内でプレゼントを購入。当日まで、誰からもらえるかはお互い秘密です。皆で集まったら、自分の名前が書かれたプレゼントを受け取ります。大事なのは、誰が誰にプレゼントを買ったのか秘密にしていること!「秘密のサンタさん」になって、相手に喜んでもらうものを探すのが楽しいのです」


もらう方は、当日まで誰が選んでくれるのかわからない「シークレットサンタ」というプレゼント交換が広まっているそう。

ラッピングや開け方にもそれぞれの国の文化がある

贈り物の季節やイベントごとも各国さまざまですが、それ以外にも特徴が出るのが「開け方」なのだそう。

「最近は、日本人ももらってすぐに開けることも多いですが、昔はその場で開けるのは避けていました。タイでは今も、その場で開けるのは『がっついている』ような印象を与えてしまうため、恥ずかしいという考えがあります。欧米では、ほとんどが目の前で開けますね」

もらった時の開け方にも文化が現れるなんて驚きです。また、ギフトラッピングの美しさにおいて、日本は特別なのだそう。

「いろいろなギフトを見てきましたが、日本ほどきれいなラッピングを、しかも無料でできる国はありません。また、多くの人が包装紙やリボンを買って自分でラッピングをすることも。さらに、日本人は包装紙をきれいに開けますが、ほかの国ではビリビリと破いて開ける人が多い。日本人は、『包む』ということにも、繊細なおもてなしや感謝の精神があるのではないでしょうか」

お中元やお歳暮は日本のいい習慣

日本では、夏と冬にお中元とお歳暮が贈られます。

夏に贈るお中元は、季節の折り目に『半年間ありがとうございます』という感謝の気持ちを表すとてもよいチャンス。日頃なかなか会えないとか、ご無沙汰している方に対して、少しだけ思いを馳せることができます。高価なものでなくても、その人の喜びそうなものを探す。そんな機会があるのはとてもよいこと。また、日本は世界に比べて贈り物のタブーがないので、選びやすいのもいいところですね」

世界では、宗教を理由としてタブーとなる贈り物も多いのだそう。日本は宗教色が強くないため、タブーが少ないのかもしれません。

お世話になったけれどなかなか会えない人に気持ちを伝えるため、お中元を贈ってみてはいかがでしょうか。次のようなものを選べば、カラダとお口の健康を願う気持ちがきっと伝わることでしょう。

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取材・記事 栃尾江美

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