
【BIRマイスター連載】は、「BIRマイスター(※)」の資格を持つ歯科衛生士さんにインタビューして、お口のケアで気になるあれこれを教えていただく企画です。
第2回となる今回のテーマは、「液体タイプのオーラルケア製品」。ご自身も毎日のケアに取り入れ、患者さんにもおすすめしているというBIRマイスターの津田郁子さんに、使い方のアドバイスをいただきました。
※BIRマイスター:「BIR」とは、「B:ブラッシング(歯みがき)」に加え、「I:インターデンタルクリーニング(歯間清掃)」と「R:リンシング(洗口)」を行う3ステップのオーラルケアのこと。サンスターでは歯科衛生士の方にBIRについて学んでいただき、お口の健康を守るために大切なBIRステップのオーラルケアを患者さんに推奨いただいています。
プロフィール
- 津田 郁子(つだ いくこ)さん
歯科衛生士。津田歯科・矯正歯科勤務。ITI公認歯科衛生士、ホワイトニングコーディネーター。矯正治療と歯周病治療を中心に行っている。2023年にBIRマイスター資格を取得。
歯科衛生士になって5年目。知識を増やすため、さまざまな勉強会に積極的に参加しています。患者さんはお仕事が忙しい方や矯正治療中の方などさまざまなので、お一人おひとりのライフスタイルや口腔内の状況に合わせたご提案を心がけています!
液体タイプのオーラルケア製品ってどんなアイテム?
最初に、今回のテーマである「液体タイプのオーラルケア製品」がどのようなアイテムなのか確認しましょう!
液体タイプのオーラルケア製品には、「デンタルリンス(液体ハミガキ)」と、「マウスウォッシュ(洗口液)」の2種類があります。お口に含んで“ぶくぶくうがい”をすることで、有効成分をお口のすみずみまで行き渡らせることができるアイテムです。使うことで、むし歯予防、歯周病予防、口臭予防などの効果が期待できます。
お口の健康を守るための3ステップ「BIR」でも、液体タイプのオーラルケア製品を使って「R:リンシング(洗口)」をすることを推奨しています。
「デンタルリンス(液体ハミガキ)」と「マウスウォッシュ(洗口液)」の違いは?
●デンタルリンス(液体ハミガキ)
ハブラシを使って歯をみがく時に使います。ペースト状のハミガキの液体バージョンと考えるとわかりやすいでしょう。清掃剤が入っていないので、歯や歯ぐきをやさしくケアすることができます。災害時など水道が使えない時も、デンタルリンス(液体ハミガキ)とハブラシを備蓄しておけば、歯みがきをすることができます。
●マウスウォッシュ(洗口液)
歯みがきのあとに使ってお口のきれいな状態を長くキープするためのもの。ぶくぶくうがいをして吐き出すだけなので、簡単に使うことができます。特に、おやすみ前の使用がおすすめです。
使っている人はまだまだ少ない
それでは、津田さんへのインタビューをスタート!
まずは、液体タイプのオーラルケア製品の使用状況についておたずねしました。
使っている方はまだまだ少数派だと思います。患者さんにおすすめすると、興味を示してはくださるのですが、実際にセルフケアに取り入れて使い続ける方は少ないです。試しに使ってみても、いつのまにかやめてしまうケースもよくあります。プラスアルファのケアなので、「元々使っていないし、そこまでしなくてもいいかな」と考える方が多いようです。
元々オーラルケアへの関心が高くて色々なアイテムを使うのが好きな方ですね。また、歯みがきが苦手で細かいところまでみがけない方も使ってくださることが多いです。デンタルリンスやマウスウォッシュを使用しはじめると、院内での染め出しで明らかに着色が減少する方もいらっしゃり、必要性を感じていただけるのだと思います。
津田さんは液体タイプのオーラルケア製品を使っていますか?
はい。毎日の歯みがきの仕上げとして使って、お口全体に有効成分を行き渡らせています。また、私はマウスピース矯正をしているのですが、マウスピースは歯に密着するので、歯みがきの仕上げ時以外にも、食事後に歯みがきができない時にも使用するとマウスピース装着時の不快感が軽減されるので、自然と習慣化していきました。習慣になると、水でうがいをした時とは全く違う爽快感がありますし、汚れも取れやすくなったと感じています。矯正が終わってもずっと使い続けたいですね。

就寝前の使用がおすすめ
次に、液体タイプのオーラルケア製品を使ったほうが良い人、使ったほうが良いシーンについて、教えていただきました。
液体タイプのオーラルケア製品を使ったほうが良いのはどんな人ですか?
特に使ったほうが良いのは、下記のような方々です。
当医院では、患者さんの7〜8割におすすめしています。
・外科処置(歯周病手術やインプラントなど)の前後の人
・歯肉炎や歯周病が進行している人
・むし歯になりやすい人
・歯並びが整っていない人
・親知らずなど清掃が困難な場所がある人
・歯みがきが苦手な人
・間食で甘いお菓子やジュースなどを頻繁に摂取する人
・矯正治療中の人
・口臭をケアしたい人
では、使ったほうが良いシーンはどのような時ですか?
最も推奨するタイミングは、夜の歯みがきが終わった後です。寝ている間は唾液分泌が減少して細菌が繁殖しやすいので、就寝前に使用して殺菌成分を長時間作用させるのがおすすめです。
翌朝のお口の不快感が軽減されそうですね!
他に、使ったほうが良いシーンはありますか?
働く世代の患者さんのお話を聞くと、職場でお昼ご飯を食べたあとに歯みがきができない環境の方が結構いらっしゃるんですよね。そこで、食事の後にすぐ歯みがきができない時に使うことをおすすめしています。それから、災害時や断水時など水が使えない状況ではデンタルリンスが活躍してくれますので、非常用の備蓄品に入れておくとよいでしょう。また、人に会う前の口臭ケアとして使うのもおすすめです。

まずは1日1回から使ってみよう!
続いて、使用を習慣化するコツを教えていただきました。
液体タイプのオーラルケア製品の使用を習慣化するコツはありますか?
「フタを開ける→フタに注いで量を計る→ぶくぶくうがいをする→フタを閉める」という工程は、大して時間はかかりませんが、意外と面倒に感じるものなんですよね……。そこで、まずは1日1回から、寝る前だけやお昼だけなど、自分が使いやすいタイミングで始めることがおすすめです。
まずはハードルを低くして使ってみることが大切なんですね。
はい。お口がスッキリするのを実感していただくと、1日1回から2回、2回から3回と、使う回数が自然と増えていくこともよくあります。患者さんの中にも、爽快感がクセになって、職場に常備するようになったり、旅行にも必ず持参したりする方がいらっしゃいますよ!
毎日のケアにプラスして、お口のすみずみまでスッキリと!
最後に、商品の選び方についてアドバイスをいただきました。
初めて使う方には、ノンアルコールタイプをおすすめします。刺激が少なく、口腔内の炎症がある方でも安心して使っていただけます。世代を問わず家族全員で使えるところも良いですよね。ノンアルコールタイプに慣れてさらに爽快感を求める方は、アルコールタイプを使っていただくと良いでしょう。
売り場に行くと、商品がたくさん並んでいて目移りしてしまいます。
自分に合った商品はどう選べばいいですか?
最近は色々なタイプの商品がありますので、下記のようにケアしたいポイントを考えて選ぶと良いでしょう。迷ったら、歯科医師や歯科衛生士に相談してくださいね!
・むし歯を予防したい→フッ素が配合されたタイプ
・歯ぐきの炎症がある→炎症を抑える成分が入っているタイプ
・口臭をケアしたい→口臭を予防するタイプ、好きな香味の商品
どんなに丁寧に歯みがきや歯間清掃を行っても、お口のすみずみまでケアをするのは困難です。普段のケアにデンタルリンスやマウスウォッシュをプラスすることで、ハブラシが届きにくい部位にも成分が行き渡り、お口の健康を保ちやすくなります。また、歯間ブラシやデンタルフロスは使い慣れるまでに時間がかかりますが、液体タイプのオーラルケア製品はコツいらず! 実は使い慣れるまでのハードルがとても低いんです。
ぜひ、毎日のオーラルケアに取り入れてみてください。
いかがでしたか? 液体タイプのオーラルケア製品は、手軽に使えてコツいらず。まずは1日1回から使ってみて、今よりきれいなお口を目指しましょう!
