コラム
2018/08/20

糖尿病の人は夏の脳梗塞リスクが2~4倍に?「脳卒中予防10ヵ条」で対策を

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今回は「夏の脳梗塞」について、こんな記事をご紹介いたします。

脳卒中は暑い夏に増える 糖尿病の人は脳梗塞リスクが2~4倍に

気温の高い夏。脳卒中を発症する人が増える季節です。脳梗塞などの脳卒中は、どの季節においても注意が必要ですが、夏は生活スタイルを注意すれば防ぐことができるものもあります。

脳梗塞の発作が起きた場合、できるだけ早く治療を行うことがその後の経過に大きく影響します。脳梗塞の典型的な症状を知っておき、一刻も早く対処できるようにしておきましょう。

脳卒中は夏に多い?

脳卒中は、脳の血管がつまったり、破れたりして、その先の細胞に栄養が届かなくなることで細胞が死んでしまう疾患です。

「脳血管障害」とも呼ばれ、血管がつまるタイプ「脳梗塞」と血管が破れるタイプ「脳出血」「クモ膜下出血」に分けられます。このうち日本人で発症率が高いのは「脳梗塞」です。

「脳卒中は冬に多い」と思われがちですが、脳梗塞に限ると、むしろ7~8月の夏に発生数が多くなっており、注意が必要です。

国立循環器病研究センターによると、夏に脳梗塞が起こりやすい理由として挙げられるのが、脱水による体内の水分不足です夏には汗を多くかくため、十分な水分を補給していないと、体が脱水症状に陥り、血液が「ドロドロ状態」になってしまいます。その結果、血管がつまりやすくなるのです。

また、寒さで血圧が上がりやすい冬とは逆に、夏は体の熱を放出しようと血管が拡張しやすくなります。この場合、生理機能が低下している人や、降圧剤などを服用している人は、血流が遅くなり、血栓ができやすい状態になってしまいます。

さらに飲酒をした場合は尿量を増加させ脱水の原因になります。これらが重なると夜間に脳梗塞を発症しやすくなります。

糖尿病の人は脳梗塞のリスクが2~4倍に上昇

脳梗塞は突然起こり、命を奪うこともある恐ろしい病気で、命は助かっても麻痺などのために不自由な生活を強いられたり、長期の入院が必要となることもあります。

過去に福岡県久山町で行われた研究調査では、糖尿病のある人は、糖尿病でない人の2~4倍、脳梗塞を発症しやすいことが分かりました。脳梗塞は動脈硬化のために血液が流れなくなって起こる病気であり、糖尿病はその動脈硬化の進行を早めてしまうからだと考えられています

夏の脳梗塞を防ぐための対策

暑い夏は、就寝中に脱水が起こりやすいものです。眠っている間に平均するとコップ1杯(200mL)程度の汗をかいています。水分を摂取しても、体全体に浸透するまで約20分の時間がかかります。また眠っているときは、一般に血圧が低下するため、血栓ができやすい状態になっています。

脱水症状を防ぐために、次のことを守りましょう。

・こまめに水分を補給する
・夜の大量飲酒は避ける
・就寝前にコップ1杯の水を飲む
・冷房は適温を保つ

脳卒中予防10ヵ条

脳卒中は、高血圧・糖尿病・食生活の乱れ・運動不足などが続くことで血管が少しずつ傷み、動脈硬化が進行すると発症しやすくなります。日本脳卒中協会では、「脳卒中予防10ヵ条」の普及に努めています。

<脳卒中予防10ヵ条>
・手始めに 高血圧から 治しましょう
・糖尿病 放っておいたら 悔い残る
・不整脈 見つかり次第 すぐ受診
・予防には タバコを止める 意志を持て
・アルコール 控えめは薬 過ぎれば毒
・高すぎる コレステロールも 見逃すな
・お食事の 塩分・脂肪 控えめに
・体力に 合った運動 続けよう
・万病の 引き金になる 太りすぎ
・脳梗塞 起きたらすぐに 病院へ

「FAST(ファスト)」を忘れず、発作が起きたら早急に治療を

脳梗塞の主な原因は動脈硬化です。動脈硬化が進行して、脳へ続く血管の壁にコレステロールなどの成分がたまり、プラークという膨らみができ、血管が狭くなります。

プラークが脳の血管の内部を塞いで血流を妨げたり、プラークの中に出血が生じたりすると、プラークが壊れて血栓が作られます。その血栓が脳まで流れて行き脳梗塞を起こすのです。

万が一、脳卒中を発症した場合でも、少しでも早く治療を受ければ救命や後遺症の低減が可能です。国立循環器病研究センターは、3つの症状をより簡潔に示した「FAST(ファスト)」という標語を呼びかけています。このうちひとつでも該当すれば脳卒中の可能性大!すぐに救急車を呼ぶようにしましょう。

<FAST!!>
ace   ・・・顔の麻痺(顔の片側が下がる、ゆがみがある)
rm    ・・・腕の麻痺(片腕に力が入らない)
peech ・・・言葉の障害(ことばが出てこない、ろれつが回らない)

ime   ・・・発症時刻 ★症状に気づいたら発症時刻を確認してすぐに119番を!!

すぐに119番!

早めの対応が、命を守り、後遺症を減らす

突然、片方の手に力が入らなくなる、持っているものを落としてしまう。
突然、どちらかの手足がしびれる。
突然、ろれつが回らなくなる、言葉が出なくなる。
でも、しばらくするとこのような症状が消えてしまう。

これは脳卒中の前触れ発作である「一過性脳虚血発作」(TIA)の可能性があります。「一過性脳虚血発作」では、血管に血栓がつまっても、短時間のうちに血栓がとけて血流が再開するため、脳梗塞の症状が短い時間しか現れません。

しかし、一過性脳虚血発作は本格的な脳梗塞の前兆なので、決して安心できません。この発作を起こした人の3~4割が脳梗塞を起こすという報告もあり、特に48時間以内が危険なのだそうです。

前触れ発作が起きたら、様子をみずに、すぐ医師に相談しましょう。一刻も早く、神経内科や脳神経外科など脳卒中の専門医がいる医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが明暗を分けます。

脳卒中や脳梗塞と聞くと、恐ろしい病気で対策が難しいように感じられますが、日頃の対策や、症状に気づくことができる知識が大切のようですね。自分だけでなく、周りの人にこういった症状が起きた場合にも、すぐに行動できるように心構えをしておきたいですね。

 

▶元記事を読む

※引用元:糖尿病ネットワーク
脳卒中は暑い夏に増える 糖尿病の人は脳梗塞リスクが2~4倍に - 2018年07月13日
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2018/028248.php
[日本医療・健康情報研究所] Copyright @ 2018 Soshinsha.

※このコラムは、「糖尿病とうまくつきあう」サイトに掲載されたものです。
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