コラム
2018/08/20

「かんで食べられる」ことの大切さ ~研究員が教える豆知識 VOL.13~

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こんにちは。サンスター研究員の関根です。

研究員が教える豆知識 第13弾の今回は、「かんで食べる」について、ご紹介します。

食事をよくかんで食べていますか?

私たちは、普段、食べ物を「口に入れて、かんで飲み込む」ことで、体内に取り入れて栄養を取っています。

1日3回の食事や、間食などで、毎日欠かさず行っている「食べる」という作業、普段は無意識に行っていて、当たり前の行動だと感じてしまいますが、実はとても複雑で大切な作業なのです!

「食べる」ってスゴイこと!

まず、「食べる」時に、口の中で何が起こっているのか、簡単に説明します。

食べ物が口の中に入ると、前歯でかみ切り、口を閉じます。

次に舌や上あごで味や硬さなどの性質を調べ、口の中にあるものが“食べられる”ものかどうかを判断します。“食べられる”と判断できると、硬いものは奥歯(臼歯)ですりつぶし柔らかいものは上あごと舌を使って押しつぶして、小さくしながら、だ液と混ぜ合わせて飲み込みやすい塊(食塊)を作ります。

食塊となった食べ物は、咽頭を通り食道に送られますが、この時もむせないように、筋肉が上手に動いて気管にフタをして、食塊を食道に導いているのです。

こんな複雑な作業を、私達は1回の食事で600回以上も、無意識に行っているのです!

かんで食べられない人が増加!その理由は・・・。

国の調査(厚生労働省:平成27年国民健康栄養調査)によると、「何でもかんで食べることができる」人の割合は、40代では9割以上ですが、歳を重ねるにつれてその割合は減少し、70歳以上になると6割にまで減ってしまっています

かんで食べられない人が増えるのはなぜでしょう?

その原因の一つとして、「歯」を失ってしまうことが挙げられます。

別の調査では、40代で1人平均28本あった歯は、50代で27本、60代で24本、70代で21本にまで減っています(厚生労働省:平成28年歯科疾患実態調査)。特に、食べ物をすりつぶすなど、重要な役割を果たす奥歯(臼歯)を失い、かみ合わせができなくなってしまうと、食べ物を十分に細かくすることが難しくなり、「かんで食べにくい」と感じてしまうようになるのです。

かんで食べられないと困ること、それは?

「かんで食べにくい」と感じるようになると、肉類や野菜、果物といった、“食べごたえのある”固いものや繊維質な食品を避けてしまいがちになってしまいます肉類は体の筋肉の原料となる食材であり、メタボ(メタボリックシンドローム)やロコモ(運動器症候群)を予防するためには欠かせません。また、野菜・果物は、ビタミンなどの栄養価が高いだけでなく、食物繊維も豊富な食材です。これらの“食べごたえのある”食材も、しっかりかんで食べられるようにしておきたいですね。

さらに、かんで食べにくくなると、「かまなくても食べやすい食品」を食べすぎてしまう傾向もあります。「かまなくても食べやすい食品」の代表は、ご飯などの炭水化物。特に血糖コントロールを意識されている方は、炭水化物を取りすぎには気をつけたいところです

「かんで食べられること」は「おいしく食べられること」

食べ物を食べる際に、忘れてはならないもの、それは「おいしさ」を感じることです。

食べ物の「おいしさ」とは、「」や「におい」、「見た目」に加えて、「食感」も重要な要素です。この「食感」は、歯と歯を支える骨の間にある、「歯根膜」と呼ばれる“食感センサー”が刺激を受けることによって、感知しているのですが、歯が抜けてしまうと一緒に失ってしまうのです。失ってしまった歯は、入れ歯やインプラントで補うことはできますが、この“食感センサー”は取り戻すことはできません。よりおいしく食べるためにも、なるべくたくさんの自分の歯を維持したいですね!

「おいしく食べられる」を続けるために

最初に失ってしまうことが多い歯は、むし歯や歯周病になりやすい奥歯(臼歯)です。臼歯は全部で16本ありますので、「1本ぐらい失っても大丈夫かな」と思ってしまうかもしれませんが、1本の歯を失ってしまうと、その周囲の歯は、かみ合わせの力が弱まるため、ドミノ倒しのように連鎖的に抜けていく傾向に。臼歯を何本も失ってしまうと「かんで食べる」ことが次第に難しくなってしまいますので、1本1本の歯を大切にしなくてはなりません。

歯を失ってしまう主な原因である、むし歯や歯周病を予防する方法は・・・、

そう、「しっかりとしたオーラルケア」ですね!

こちらの連載で紹介した、洗口液や歯間ブラシを上手に使ったり、歯科医院に定期的に通ったりすることで、「おいしく食べられる」お口を守れるように、これからもオーラルケアに取り組んでくださいね!

※このコラムは、「糖尿病とうまくつきあう」サイトに掲載されたものです。
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