コラム
2020/06/02

【体験 & 専門家が解説】口内フローラでここまでわかる!お口とカラダの健康状態を知って対策を

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話題の腸内フローラと同様、お口にも「口内フローラ」があります。フローラとはカラダの中のいろいろな場所で形成される細菌の集団のことです。口内フローラのバランスが崩れるとお口の中はもちろん、糖尿病や心疾患など全身の健康に影響するともいわれています。

しかし、バランスといっても目には見えないもの。そこで、自宅で口内フローラを検査できるキット「クリニック用COMA」(株式会社ワールドフュージョン)を使って、普段からお口の状態が気になるというEさん(40代・女性)に口内フローラ検査を体験していただきました。

体験者プロフィール

 
Eさん/40代女性
・歯周ポケットや歯のぐらつきが見つかって以来、熱心に通院中。3ヶ月に1回、歯科医院へ。
・歯科医師用の強力電動ハブラシと後味すっきりハミガキでのクリーニングが好き。
・一生、自分の歯で、世界中の「美味しいもの」を食べたい!

でも、結果を見ても難しい用語が多く、今後どう生かしてよいのか…。それならば、歯科医の先生に解説してもらいましょう。


これらが診断結果のシート。唾液を採取して送るだけでここまでわかります。とはいえ、専門用語が多く自分自身で分析するのは難しいので、このシートをもとに歯科医師にアドバイスいただくのがおすすめです。

 
監修/大月基弘(おおつき もとひろ)
DUOデンタルクリニック院長。歯学博士、ヨーロッパ歯周病学会認定歯周病、日本歯周病学会専門医、日本臨床歯周病学会認定医、歯周インプラント認定医。

口内フローラからわかる、お口の健康状態

左
先生、この表を見てもどういうことかわからないのですが…。
右
なかなか難しいですよね。本来はお口の検診とあわせてアドバイスしたいのですが、今回は検査結果だけからわかる範囲でお話しさせてもらいます。
まずいえることは、Eさんは「むし歯タイプ」ではなく、どちらかというと「歯周病タイプ」ということです。
左
ええっ!そんなことがわかるんですか?
右
はい。最初の注目点は、特に重度の歯周病の原因とされる菌の分析結果です。「注意」の欄に黄色いマークが多くついていますね。これは、歯周病の原因菌の比率が少し高いということなんです。

左
そうなんですね…。
右
続いて「歯周病とむし歯の原因菌」をチェックしましょう。Eさんの結果は「危険」の赤色と、「注意」の黄色、そして「良好」の青色がきれいに分かれています。赤色になっているのは歯周病の原因となる菌です。逆に良好なのはむし歯に関する項目。これで、むし歯よりもより歯周病に気を配るべきかもしれないことが示されています。
Eさんは定期的に歯科医院に通っていらっしゃるということですが、何か心当たりがおありになりますか?

左
あります!私、歯科医に3ヶ月に1度は通って、治療や歯石のクリーニングをしているんですが、むし歯を指摘されたことはなく、でも歯周病についてはよく指摘されているんです。口内フローラからそんなことまでわかるんですね。

カラダからの注意信号も受け取れる

左
先生!ほかにも検査結果で「全身性疾患の原因となる細菌」というのがあって、肺炎、心内膜炎に赤色、リューマチや胃腸炎などの黄色がマークされてるのがとても気になりました。口内フローラってこういうことまでわかるんですか?

右
はい、お口とカラダは繋がっているのです。お口の細菌がカラダに悪影響を与えることもあれば、カラダの問題がお口にも影響を与えることもあります。だから口内フローラをチェックすることで、カラダの危険信号をキャッチして、将来的なリスクを減らすことができる可能性もあるのです。
左
まさか、口内フローラから全身のことまでわかるなんて驚きでした。
右
ただ、心配しすぎることはありません。この結果を見て、お口の中ではどのような細菌の比率が高くなっているかを理解し、ご本人は健康リスクやお口の衛生に気をつければいいですし、歯科医や歯科衛生士は治療や予防で一緒に取り組むことができますから。

人生100年時代においしく食べ続けるために

左
大切なのは自分のお口の中の状況を知り、これをきっかけに、良い習慣に繋げることなんですね。
右
そうです。100年の人生を生きる時代ですから、健康に暮らし、自分の歯でおいしいものを食べ続けていただきたい。そのためにお口のケアをしていただく。そのきっかけです。
左
そのためにも、こういうことがわかるとモチベーションが上がりますね。「危険」に赤マークという結果を見た時は心配でしたが、逆にこれからもお口のケアにしっかり取り組もうという気持ちになりました。
具体的には何からはじめればよいのでしょうか?
右
こうした診断はあくまでもスクリーニング(選別)。ここから具体的な対応がはじまります。次のステップとしてお勧めしたいことをお知らせしますね。
1.専門の歯科医院で適切なアドバイスをもらう。
2.適切なツールを使ったお口のケアを習慣づける。
右
Eさんの場合は歯周病タイプですから、歯周病に強い専門医や歯科衛生士がいるところを利用すると良いでしょう。また日常では歯周病を意識したハブラシや歯間ブラシ選びなどを心がけてください。
左
口内フローラで自分のお口の状態を知ることで、よりよい歯科医やツール選びができるんですね。

検査結果でさまざまなことがわかったと納得できた様子のEさん。先生から教えて頂いた「次のステップ」についても、より具体的に別の記事で紹介していきます。

取材・記事 岩瀬大二

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