コラム
2019/11/30

おなかの赤ちゃんの骨と歯のためにできること

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骨や歯を形成する栄養を妊娠初期からしっかり摂取

栄養や水や酸素など、おなかの中の赤ちゃんの成長に必要なすべては、お母さんの胎盤からへその緒を通して与えられます。妊娠中のお母さんの健康状態や食生活はとても重要です。

赤ちゃんの歯のもとになる芽は、妊娠初期の7~10週頃から作られはじめます。骨は4~5週頃から作られはじめ、妊娠後期の28~31週頃には骨格が完成します。

妊娠中はいろいろな栄養をバランスよく摂ることが大切です。中でも、赤ちゃんの丈夫な骨や歯の形成に役立つカルシウムやビタミンDは、妊娠初期からしっかり摂取しましょう。

赤ちゃんの骨や歯を作るカルシウム

赤ちゃんの骨と歯を作るのは、主にカルシウムです。胎盤には、赤ちゃんに必要な量のカルシウムを積極的に移行する機能(カルシウム結合タンパク質)が備わっています。

妊娠中のお母さんのカラダは、ホルモンなどの影響で、小腸でカルシウムを吸収したり腎臓でカルシウムを保持したりする作用が高まっています。カルシウムが不足したら、必要に応じて骨の中のカルシウムを移動させることで、血液中のカルシウム濃度を一定に保っています。

ですが、たくさんのカルシウムが骨から移動した場合、骨が弱くなってしまいます。

カルシウムの量を調整するビタミンD

血液中のカルシウム濃度を調節するのは、副甲状腺ホルモン(PTH)、カルシトニン、ビタミンDなどです。PTHは、血液中のカルシウム濃度が低下したときに、骨からカルシウムを流出させる骨吸収を行います。逆のはたらきをするのはカルシトニンで、血液中のカルシウム濃度が増加したときに、骨吸収を直接抑制しカルシウムを低下させます。一方、ビタミンDは小腸や腎臓からのカルシウムの吸収を促進します。

赤ちゃんの健やかな骨や歯を育むためには、カルシウムやビタミンDの不足の予防が重要。食事の量が減っている、好き嫌いが多い、栄養バランスが気になるという人は、サプリメントでの補給もおすすめします。


 
監修/雫石聰(しずくいし さとし)
大阪大学名誉教授、歯科医師、歯学博士
1947年大阪府生まれ。1971年大阪大学歯学部卒業。1978年より同大学歯学部にて講師、准教授を務めた後1992年より予防歯科学教授、2002年より同大学歯学部附属歯科技工士学校長、2006年より同大学歯学部附属病院病院長を歴任。2010年大阪大学名誉教授、サンスター(株)顧問に就任。
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