大切な事は「知ること」と、「知ってしっかりとケアをすること」。
これらを実行して、うまくコントロールしています。
大阪の郊外の豊中市・千里中央には、一般財団法人 サンスター財団 附属
千里歯科診療所(1977年開設。以下、サンスター診療所)があり、
そこでは、歯周病と全身の関係に注目し、その1つとして、
糖尿病患者様の歯周病治療に力を入れています。
2015年5月27日、このサンスター診療所に定期的に通っていらっしゃる小林さんに、
お口をケアして感じたことや、お口と全身の健康についてお話を伺いました。
はじめに、小林さんはどのようなことがきっかけでご自分が糖尿病だとわかったのですか?
お酒が好きなこともあり40歳くらいで痛風になりました。それから痛風の発作が数回あり、 その度に外科に行って血液検査をしていました。すると、尿酸値は自然によくなっていったのですが、 今度は血糖値がちょっと高いよって言われまして。その後も血液検査には行っていたのですが、 だんだん血糖値が高くなってきて外科で血糖値を下げる薬をもらうようになりました。 外科では糖尿病ですとは言われず、糖尿病予備群だと言われたのですが、これじゃいけないと思い、 59歳の時に糖尿病内科に行ったのがきっかけですね。
なるほど。それから本格的な糖尿病の治療を始められたのですね。
血糖値やお薬など現在の状況を教えていただけますか?
薬は飲んでいますが、合併症はないですね。
血糖値が一番高い時はHbA1cが9.0でしたが、先日の検査では6.7でした。病院には月に1回通っています。
今はしっかりとコントロールをされている状態なのですね。
サンスター診療所に通い始められたのは、糖尿病専門医で勧められたからなのですか?
いいえ、自分で調べました。糖尿病だと診断されたのと同じくらいの時期に、歯が揺れだして、
1本2本と抜けました。近所の歯医者に行っていたのですが、ハグキが腫れて、歯もぐらぐらと揺れるようになり、食べるのが不自由な状態になってしまったんです。普段の生活で困るようになって、
これは歯周病だと思ったので、少し離れていてもいいから歯周病専門医のいるところに行こうと考え、
こちらに通い始めました。
その時すでに、糖尿病と歯周病が関係あるということはご存知でしたか?
いいえ、全く。歯周病だなと思ってここに来ましたが、糖尿病との関係は知りませんでした。
サンスター診療所に初めて来たときに、自分が糖尿病だと伝えたら、そのことを教えてもらいました。
そうだったのですね。今のお口の状態はどうですか?
食べるのに困る食品もなく、食べる時に全く不自由はないです。
それに、歯周ポケットの深さが、通い始めた時から全く深くなっていないです。
きっちりとお口の状態を改善され、その後もコントロールもされているということですね。
サンスター診療所で初めて糖尿病と歯周病が関連しているということを聞いた時、
歯周病の方もちゃんとしなければと思いましたか?
思いました、思いましたね。なんでも切羽詰らないとやらないタイプなので、"知る"ということが
とても大切だと思います。歯磨きをあまりしなくても虫歯になりにくかったので、若い時は歯磨きせずに
そのまま寝ることもよくありましたし、平気でした。歯が痛くならないと歯医者に行くこともありませんでした。
この年になってから、歯の手入れが大事だということがわかりましたね。
今では、どんなに遅く帰っても、たとえ酔っ払っていても、絶対に歯磨きをしてから寝ます。
それは、はみがき指導をした歯科衛生士が聞いたら喜ぶと思いますね(笑)。