生活習慣のコツ
2019/03/05

【医師監修】健康増進法一部改正で、受動喫煙対策はどう変わる?

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受動喫煙とは?

あなたの周りに、たばこを吸う人はいますか?
平成27年の国民健康栄養調査によると、国民の8割以上は非喫煙者。喫煙率も年々低下しています。

喫煙による健康への悪影響が叫ばれて久しいですが、自分はたばこを吸わないからといって安心はできません。
非喫煙者が自らの意思とは無関係にたばこの煙にさらされ、喫煙させられている「受動喫煙」によっても、咳、喘息、鼻症状、眼症状、頭痛などのほか、肺がんの発症リスクや虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞など)の死亡リスクが増加することがわかっているからです。

子どもや妊婦さんに与える健康影響

パパママにとって、特に心配なのが子どもへの影響です。受動喫煙により、子どもの呼吸器疾患の罹患率、有病率の増加、呼吸機能の低下、発がんリスクの増加、身体発育への影響などが懸念されています。

また、妊婦さんが喫煙していると、喫煙以外の要因を調整しても、生まれてくる赤ちゃんは出生体重が小さくなりやすいというデータも。

国立がん研究センターは、受動喫煙を受けている人は受けていない人に比べて肺がん1.3倍、脳卒中1.3倍、虚血性心疾患1.2倍、乳幼児突然死症候群(SIDS)4.7倍の罹患リスクがあると発表(平成28年)。子どもや妊婦さんを含むすべての人を、受動喫煙から守る対策を早急に行うことが求められてきました。

受動喫煙防止に対する国際状況と日本

平成15年5月施行の健康増進法第25条で、「(中略)多数の者が利用する施設を管理する者は、(中略)受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない」との努力義務をもうけ、分煙など自主的な取り組みが推進されてきました。

一方で、国際社会の受動喫煙対策に注目すると、平成17年2月に発効され、日本も批准している「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約(FCTC)」では、世界181か国の締結国(平成29年7月現在)に、屋内の公共の場所等における受動喫煙防止対策の実施を要求。
また、「WHOたばこ規制枠組条約第8条の実施のためのガイドライン」でも、屋内の職場と公共の場所について全面禁煙とすることを要求しています。

さらに、2020年に東京オリンピックを控える日本にとって無視できないのが、2010年のWHOとIOC(国際オリンピック委員会)による「たばこのないオリンピック」を推進することについての合意です。合意後、日本を除くすべてのオリンピック開催国・開催予定国が罰則を伴う法規制を実施。日本の対策の遅れが目立つ状況になっていました。

健康増進法の一部を改正

日本ではこれまで努力義務を設け、多くの人が利用する施設や飲食店等への自主的な取り組みを推進してきました。しかし調査により、多くの非喫煙者が飲食店や遊技場、職場などで受動喫煙の被害に遭っている状況が明らかに。努力義務による対策では不十分であることが明確になりました。

これらの状況を踏まえ、昨年(平成30年)健康増進法の一部が改正。「望まない受動喫煙」をなくすという観点から、飲食店も含め多数の人が利用する施設は原則屋内禁煙(喫煙専用室内のみ喫煙可)となりました(一部例外あり)。2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでに段階的に施行されます。

法施行後の変更は次のとおりです。


厚生労働省より引用・作成

この対策により、「望まない受動喫煙」が生じることがなくなり、また喫煙者も意図しない受動喫煙をさせてしまうことがなくなるといった効果が期待されます。喫煙する人と受動喫煙を望まない人が、互いを思いやって生活できるようになるといいですね。

監修者 京都大学名誉教授 内山 巌雄 先生

【経歴】
(元)
・東京大学医学部医学科を卒業後、東京大学医学部第2内科非常勤医師として勤務
・米国ハーバード大学公衆衛生大学院客員研究員、国立公衆衛生院労働衛生学部(部長)
・京都大学大学院工学研究科都市環境工学専攻教授
・環境省、厚生労働省の専門部会委員等

(現)
・医療法人社団医創会 百万遍クリニック シックハウス外来医師
・環境省、厚生労働省専門部会 委員
・子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査) 企画評価委員会 座長
18件のコメントがあります。
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  • 毎日 階下の方が共有スペースでいつも何度も煙草を吸われます。 もれなく上階に煙が…。気管が弱い自分にはきつくて…。それ以外にも広がって欲しいです。
  • 自分は、一度も喫煙したことがないため、煙草のにおいをどうしても受け入れることができずにいます。受動喫煙を何度も経験して、気分が悪くなったことも正直あります。しかし、喫煙者の方も、かなり気を使っておられます。なので、望まない受動喫煙をなくす方向に向かっているのは、本当に歓迎します。
  •  今でこそバスも電車も禁煙が当然になり、職場も禁煙で過ごしやすくなりましたが、私が妊娠、出産、子育て期は、喫煙が当たり前でしたから、今は夢のよう。
     それでもタバコを吸いながら歩く方、まだまだおられます。受動喫煙、ホントにしたくない。臭いだけで吐き気がするし。
  • 喫煙って、不健康をお金で買っているようなものだと思います。
    色々な意味で本当にもったいない。
    でも喫煙者本人も、なんとなく気軽に始めたつもりがやめられなくなってしまった等というケースもあるのではないでしょうか。
    自分自身や周囲の人へのリスクを考え、社会のサポート体制があることを知った上で禁煙へ向けて少しずつ努力してもらえたらと思います。
  • 煙草に対して、絶対に拒絶反応・・・。
  • 私自身は吸いませんが、会社の休憩所で同僚が吸っていたので、受動喫煙・・・。
    後々何かないといいのですが。
  • 骨折で入院してたとき、同室にベッドのカーテン閉めて
    そ〜っと静かに電子タバコ吸ってたオジサンいましたね。
    そこまでして・・・とちょっと憐れになりました。
    喫煙人口は減ってきてるようですが、今残ってる人たちは
    まずやめないだろうなと思います。
  • 吸う人も吸わない人も気持ち良く暮らせる社会かぁ・・・。なぜ、ここまで喫煙することのリスクが多いのに法規制がなかったんだろうと不思議でした。少数派でも国にとっては“お金”になるので捨てがたいのは事実なんでしょうね。でも、いつまでも綺麗事ではいかないと思いますが・・・。
  • こんにちは、運営スタッフのヒカルです。
    健康増進法の一部改正を通じて、喫煙をする人も、しない人も、お互いが気持ちよく暮らせる社会になるといいなと思います。
  • 健康維持には、とてもいいことだと思います。
    我が家は全員喫煙者ですが、副流煙の影響も気になります。
    喫煙する人と受動喫煙を望まない人、健康を考えればお互いに思いやることは大切ですよね。