糖尿病の方にとって大切な「食事療法」。指示されたエネルギー量や、食べる時間を守らなければいけないなど、さまざまなルールがありますが、あまり難しく考えすぎると食事そのものを楽しめない…ということに。まずは栄養バランスを整えることを意識した、食べる楽しみや満足を失わない健康的な食事方法を提案します。
しっかり食べたい。でも食べ過ぎるといけない。こんな気持ちをうまくコントロールして、健康的でも満足感の高い食事をするために取り入れたいのが「食物繊維」です。食物繊維はよく嚙むことによって満腹感を得やすいなど、食事の満足を高めるために大切な役割を担っています。また急激な血糖値の上昇を抑えるなどの健康効果も高く、ガマンしない食事の楽しさを与えてくれます。
しっかり嚙むと歯根膜やほほの筋肉が刺激され、刺激は神経を介して脳の視床下部に伝わり、神経ヒスタミンの分泌を促します。神経ヒスタミンは満腹感をもたらし、食べ過ぎ防止につながります。
食物繊維には「水溶性」と「不溶性」の2種類があります。水溶性食物繊維は粘着性があり、胃腸内をゆっくり移動するのでおなかが空きにくく、食べ過ぎを防ぎます。また、不溶性食物繊維は腸でほとんど吸収されず、ほとんどエネルギーにならないため、エネルギーはそのままに、食事量を増やすことができます。この2つの特徴をよく理解し、状況に応じて使い分けるのがおすすめです。
糖尿病と診断されても食生活をガラリと変えることは難しいもの。でも、無理にすべてを変えようとしなくても大丈夫です。 食品の選び方や食べ方のちょっとしたコツをおさえておくだけで、食事の“満足”と“健康的”を両立させながら、高めることができます。
食事の質を高め、満足感を得ながら健康的な食生活を送るには、「食物繊維」が重要。高食物繊維を中心とした献立なら、摂取カロリーを下げることなくしっかり食べることができるため、食事の「満足」と「健康的」の両立を実現できます。