コラム
2018/02/19

「腸内環境」を整えて、健康長寿を目指そう!

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今回は「腸内フローラと健康維持」について、こんな記事をご紹介いたします。

「腸内細菌」が糖尿病リスクに影響 腸内環境を整えアンチエイジング

ヒトの腸内にはたくさんの細菌が生息しています。このような腸に生息する細菌は、まとめて腸内細菌と呼ばれています。

腸内細菌には、「ビフィズス菌」や「乳酸菌」などの善玉菌と呼ばれるものだけでなく、「ブドウ球」や「ウェルシュ菌」などの悪玉菌、さらに体の状態によってはたらきを変える日和見菌があります。

最近の研究によって、このような腸内細菌は短期的な腸内の状態だけでなく、健康長寿とも関係があることが明らかになりました。

「腸内細菌のバランス」が健康維持に重要

ヒトの腸内には、およそ100兆個、500~1,000種類もの腸内細菌が生息しています。ヒトの身体の細胞数はおよそ60兆個といわれていますので、それよりもずっと多い数ですね。

これら腸内細菌の集まりを「腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)」といい、まるで花畑のように見えることから「腸内フローラ」とも呼ばれています。

普段、バランスを保っている腸内細菌叢ですが、▽不健康な食事、▽ストレスや過労、▽抗生物質の摂取など、様々なことが原因で腸内フローラのバランスが崩れることがあります。さらに、加齢によっても腸内フローラが変化しやすいということがわかっています。

これまでの研究により、腸内フローラの乱れが、大腸がんなどの腸そのものの疾患に加えて、1型糖尿病/2型糖尿病/肥満/高血圧/炎症性疾患など、さまざまな疾患に関わっていることが明らかになっています。

健康な高齢者の腸内フローラは若者と変わらない!?

カナダのウェスタン大学の研究によって、健康に歳を重ねている高齢者の腸内フローラは、健康な30歳代の若者の腸内フローラと、非常に似ていることがわかりました。

研究チームは、3歳から100歳までの、健康とされる中国人の男女1,000人を対象に、腸内フローラを採取・分析しました。

その結果、以下の2点のことがわかりました。

・健康な高齢者の腸内フローラは、若い世代(30代)のものと相似している
・健康な集団では共通して、「腸内フローラの多様性」がみられる

ウェスタン大学生化学部教授のグレッグ グール氏は腸内細菌の多様性を維持することが、さまざまな健康増進の効果をもたらすと指摘しています。

また、「たとえば、コレステロール値を基準よりも高くしないことが、心筋梗塞などの循環器疾患を予防するための目安となるのと同じように、年齢を重ね体が老化するに伴い腸内細菌の多様性を維持することが、健康な加齢の目安になると考えられます」とも説明しています。

「短鎖脂肪酸」を増やすためには腸内細菌が必要!

腸内フローラは、腸だけでなく全身の健康状態に影響を与えることから、“もうひとつの臓器”とも捉えられています。

腸内フローラは食事などの環境要因の影響を大きく受けており、とくに「短鎖脂肪酸」の影響を受けていることがデンマークの研究で明らかになりました。

短鎖脂肪酸とは、腸内細菌がつくる、「酪酸(らくさん)」、「プロピオン酸」、「酢酸」などの酸(有機酸)を指します。

短鎖脂肪酸には、

・腸内を弱酸性にすることで有害な菌の増殖を抑制する
・大腸の粘膜を刺激して、蠕動(ぜんどう)運動を促進する
・腸上皮細胞の重要なエネルギー源となり抗炎症作用を及ぼす

などのはたらきがあります。

そして、この短鎖脂肪酸は、腸内細菌が食物繊維やオリゴ糖をエネルギー源とすることでつくられます。

食物繊維の豊富な「全粒穀物」が腸内フローラの改善に

これまでの研究により、精製された穀物の代わりに、全粒粉や玄米といった食物繊維の豊富な「全粒穀物」を多く摂取すると、

・満腹感が得られやすく減量に効果的
・全身の炎症を低減する
・腸内フローラが改善し、血糖の低下を妨げる「インスリン抵抗性」が改善する

ことなどがわかっています。

インスリン抵抗性は、インスリンが体の中で効きにくい状態を指し、インスリン抵抗性により糖が十分に体の中に取り込まれなくなると血糖が上昇します。

インスリン抵抗性が起こる原因としては、肥満や運動不足などがありますが、腸内フローラのバランスの乱れによって、慢性的な炎症が起こることも一因としてあげられます。

これらのことから、特に2型糖尿病や心血管疾患のリスクの高い人に対して、食物繊維が豊富に含まれる全粒穀物を食事に取り入れることが勧められています

腸内フローラの乱れが血糖コントロール悪化の原因

腸内環境は、血糖コントロールとも深く関わっています。

米国のイリノイ大学の研究では、血糖コントロールがずっと良好、あるいは徐々に改善する人の腸内では、腸内細菌が多くみられ、代謝や免疫といった体の機能に良い影響を与える善玉菌が多いことがわかりました。

また、順天堂大学の研究によって、糖尿病患者の腸内フローラが乱れていること、腸内細菌が腸内から血流中へ移行しやすいことが明らかになりました。

これらの研究結果からも、腸内フローラは腸内の疾患だけでなく、さまざまな健康面に関わっていることがわかりますね。腸内環境の改善に気をつけ、食物繊維が豊富な「全粒穀物」を摂っていきたいなと思うたまきでした。

 

▶元記事を読む

※引用元:糖尿病ネットワーク
「腸内細菌」が糖尿病リスクに影響 腸内環境を整えアンチエイジング - 2017年12月21日
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2017/027617.php
[日本医療・健康情報研究所] Copyright @ 2018 Soshinsha.

※このコラムは、「糖尿病とうまくつきあう」サイトに掲載されたものです。
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