こんにちは。サンスター研究員の関根です。
研究員が教える豆知識 第2弾の今回は、日本のお口の状態やオーラルケアの現状についてご紹介します。
みなさん、歯みがきをしたり、時々歯医者さんに行ったりと、日々オーラルケアを実施されていると思いますが、自分のお口の状態が、同世代の他の方と比べてどうなのか、気になったことはありませんか?
今回は、厚生労働省が6年に1回実施している、国民のお口の状態やオーラルケアの実態を集計した『歯科疾患実態調査』の結果の一部を、ご紹介します。
まずは、『オーラルケア』の実態をご紹介!
●歯ブラシの使用状況
1日2回以上歯みがきをしている人の割合は全体の77%、3回以上歯みがきしている人は27%と、ほとんどの方が2回以上の歯みがきしており、毎食後に歯みがきをする方も増えているようです。毎日2回以上歯みがきをしている人の割合は、昭和44年の調査から9回連続で増加しています。
●デンタルフロスや歯間ブラシの使用状況
一方で、デンタルフロスや歯間ブラシを使っている方は39%と、まだまだ・・・。男女別にみてみると、すべての年代で男性よりも女性の方が、デンタルフロスや歯間ブラシを使用している割合が高いようです。
「研究員が教える豆知識」シリーズでは、歯間清掃具の使い方や、メリットについてもご紹介する予定です。楽しみにしていてくださいね!
続いて、お口の健康状態のうち、『歯周病』についての結果はこちら!
歯周病が進行してしまった「歯周炎」の方は、歳を重ねるにつれて増加する傾向があり、50代以上の約半数、20代でもすでに4人に1人以上が歯周炎という結果となりました。歯周病は初期段階であれば、元の健康なハグキに戻ることができますので、「歯周病はまだ関係ないかな~」と思っている方も、早めに対策を始めてもよいかもしれませんよ!
実際、歯周病のはじまりのサインである、ハグキから出血している人の割合は、なんど20代でもすでに4割もいらっしゃいましたが、ご自身でハグキのハレや出血に気づいている人は1割程度と、実態と認識にかなりのギャップが・・・。
自分では歯周病のサインに気づきにくいので、自覚症状がなくても、歯科医院で定期的に診てもらったり、歯周病予防のオーラルケア製品を使ってケアすることが重要ですね。
最後に、『むし歯』についてご紹介します。
むし歯のある方※の割合は、30代~70代で90%以上と、ほとんどの方がこれまでに少なくとも1度は、むし歯経験をおもちでした。24歳以下のむし歯を持つ人は年々減少していますが、65歳以上のむし歯をもつ人は、逆に増加しています。…あれれ?
一見矛盾しているように見えますが、実はどちらもオーラルケアがうまくできている人が増えているからなんです!歯みがき回数の増加や、フッ化物入り歯みがきの利用など、オーラルケアの良い取り組み・習慣が定着化してきたことで、若い人のむし歯が減ってきているのです。
一方、65歳以上の人では、お口の状態が良くなり、総入れ歯の方が減ったことで、むし歯の歯が増えているといった結果となっているようです。この世代は『大人むし歯』が新たにできてしまうリスクも…。『大人むし歯』が気になる人や『大人むし歯』って何?と思った人は、前回の「はじめませんか?『大人むし歯』対策」もチェックしてみてくださいね。
「80歳になっても、自分の歯を20本以上残しましょう」という、「8020(ハチ・マル・ニイ・マル)運動」、どこかで聞いたことがある人もいらっしゃるんじゃないでしょうか。人間には、親知らずを除いて28本の永久歯があります。そのうち20本以上の歯が残っていれば、ほとんどの食品を噛み砕くことができるため、20本を目標に歯を残すことが呼びかけられています。
今回の調査で「8020」を見事達成している80歳以上の方の割合は、51%!なんと半数の方が達成されています。「研究員が教える豆知識」シリーズでは、たくさんの健康な歯を残して、『食』も『おしゃべり』もしっかり楽しめるヒントになるような情報を発信していく予定ですので、これからもお付き合いくださいね!
*「むし歯のある方」には、既に治療済みのむし歯とまだ治療していないむし歯の両方が含まれています。