コラム
2020/02/10

いつ避難所生活になるかわからないから…知っておきたい「スフィア基準」とオーラルケアのこと

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避難所生活の人権を守る「スフィア基準」とは?

地震、台風、大雨など、自然災害の多い日本に住む私たち。特にここ数年は、世界的な気候変動の影響もあってか、災害規模が大きくなってきています。いつ、誰が被災するか、避難所生活を送ることになるかわからない今の日本。災害から命は守られたのに、長く不便な避難所生活による健康二次被害なども話題になりました。しかし、意識の高まりとともに、近年は避難所の環境も、少しずつですが改善の方向に向かっているようです。

そのきっかけになったのが「スフィア基準」の認知の拡大です。報道などでも話題になったので、言葉自体は聞いたことがあるという人もいるかもしれません。「スフィア基準」とは、「避難所の質の向上を目指す国際基準」。人道憲章としての深い理念と定義がありますが、端的にいうと「たとえ避難所でも、最低限の人間らしい生活や自分らしい生活を送ることができること」を目指しています。

具体的にさまざまな基準がありますが、特に報道などで話題になるのは、被災者の健康に直結する「技術的基準」といわれる箇所。「給水・衛生・衛生促進」「食料の確保と栄養」「シェルター・居住地・ノンフードアイテム(生活道具など食品以外の物品)」「保健活動」の項目があり、そこからさらに細かく、理想的なトイレの数や水の量などの指標があげられています。

これを見てもわかるように、とにかく水は被災者や避難所生活者が、「人間らしい生活」をするためのとても大切な要素。そして、避難生活では、この大切な水を節約しようとオーラルケアがおろそかになり、そこから健康被害が発生するということも、最近は知られるようになってきました。

健康二次被害を防ぐために、サンスターができること

実は、災害時の健康二次被害で意外に多いのが「肺炎」です。被災生活や避難所生活では水が貴重になるため、つい歯みがきをおろそかにしがち。すると口の中にいつも以上に細菌が繁殖します。特に気を付けなければならないのが高齢者の方々。細菌が繁殖した状態で、誤嚥(飲食物や胃液などが誤って気管に入ること)をすると、口の中の細菌まで一緒に肺へと運ばれてしまい、肺炎になってしまうのです。さらに、避難生活の疲れで免疫力が落ちていたりすると、最悪の場合は命を奪われてしまうことも…。実際に、阪神淡路大震災では、震災に関連した肺炎で200人以上が亡くなられたといわれています。また、東日本大震災では、地震発生から約1~2週間後に肺炎で死亡した人の数がもっとも多く、誤嚥性肺炎のリスクを物語っています。

そんな被災者の誤嚥性肺炎の問題が注目されるようになってから「災害時でもオーラルケアはしっかり行う」ことの大切さが、徐々に広がってきています。実はサンスターでは、災害時のオーラルケアについて、以前からCMや特設サイトなどを通して、啓発活動を行ってきました。

サイト内では、ハブラシがないときのオーラルケアの方法や、水が少ないときの歯みがきの方法、そして、災害時には液体ハミガキが有効であるという情報などを紹介しています。また、防災グッズリストや、ダウンロードしてご利用いただける「防災オーラルケア ハンドブック」もご用意しました。いざというときに備えて、水をしっかり準備しておくことはもちろん、ぜひ、オーラルケアの方法も覚えておいていただければと思います。“災害時でも、遠慮なくしっかりとお口の中を清潔に保つことができる。”それも「スフィア基準」で求められている「人間らしい生活」のひとつなのですから。

災害時のオーラルケアが、あなたの健康と命を守ります。
 

覚えてください。防災にオーラルケア。

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