コラム
2019/11/30

【Q&A】家族のむし歯がうつるから、赤ちゃんにさわらないほうがいい?

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【Q】 家族のむし歯を赤ちゃんにうつしたくありません。スキンシップを減らしたほうがいいですか?

【A】家族とのスキンシップは、赤ちゃんの精神発達の上でとても重要なので、減らす必要はありません。ただし、むし歯菌の感染も気になるところ。赤ちゃんの歯が生え始める前に家族全員のむし歯治療を完了させて、気兼ねなく赤ちゃんと触れ合いましょう。

そもそもどうしてむし歯になるの?

むし歯は、ミュータンス菌に代表されるむし歯菌の感染症です。お口の中に入ったむし歯菌が、食べ物に含まれる糖質(砂糖やでんぷん)から、ネバネバしたプラーク(歯垢)を作り出し、歯の表面に定着して歯の表面を溶かすことでむし歯が発生します。

1歳半から3歳頃の間に定着しやすいむし歯菌

胎内にいる時は無菌の状態に保たれていた赤ちゃんのカラダ。出産直後から接触したいろいろな細菌が定着していきます。

お口の中にむし歯菌が定着しはじめるのは、奥歯(第1乳臼歯)が生えてくる1歳半くらいからで、その状態が3歳頃まで続きます。この時期にむし歯菌の定着を防げば、むし歯になりにくいといわれています。

事前のオーラルケアでたっぷりスキンシップ

赤ちゃんや子どものむし歯の原因の多くは、周囲の大人の唾液を介してむし歯菌がうつることです。お母さんだけでなく、それ以外の家族の唾液も原因になります。

むし歯菌がお口の中に入っても、必ずむし歯になるわけではありません。きちんと歯をみがく、甘いものを避ける、フッ素入りハミガキを使うなどの習慣で、プラークを発生させなければ、むし歯は十分防げます。

同時に、家族のオーラルケアを徹底しておくことも重要です。特に欠かせないのが、食後の歯みがき習慣と、むし歯治療の完了です。むし歯治療を完了していれば、赤ちゃんとのキスは親子のスキンシップとしておすすめです。菌をうつさないためにスキンシップをあきらめるのではなく、赤ちゃんとスキンシップするために親・兄弟・祖父母など、家族全体で歯の健康を守ることを心がけましょう。


 
監修/髙島由紀子(たかしま ゆきこ)
歯科医師、歯学博士、日本小児歯科学会専門医
1982年大阪府生まれ。2007年広島大学歯学部卒業。2011年に大阪大学大学院歯学研究科を卒業後、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科にて助教、講師を勤めた後、2019年より一般財団法人サンスター財団附属千里歯科診療所にて勤務。
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