コラム
2021/12/15

第16回:つらい冷え性。その「食の思い込み」が原因かも?

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冷え性に悩まされている星子さん。体質改善は食生活から!と温かい食べ物や飲み物を摂ることを心がけ、体温を高めるといわれるショウガもたくさん使って料理。でも専門家に聞くと、実はやりすぎて逆効果になっていることもあるというのです。

監修者プロフィール

 
柏原ゆきよ(かしわばら ゆきよ)
管理栄養士、一般社団法人 日本健康食育協会代表理事。通称お米先生。5万人以上の食事サポートから、日本人の体質にあう「ごはんとみそ汁」中心の食事メソッドを開発。『お腹からやせる食べ方』(三笠書房)他著書多数。お米先生のYouTubeチャンネルも好評配信中。

ショウガやコーヒーの摂りすぎは禁物

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食事でいろいろ冷え性対策を試しているのですが、どうにも改善されなくて…。もっと徹底したほうがいいのでしょうか?
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いえ、正しい対策を行わないと、効果がないというより、逆効果になってしまいます。ショウガを食べたり、コーヒーを飲んだりすると一時的にカラダが温まるので良さそうに感じますが、すぐ冷めてしまいますよね。
左
そうなんです!その繰り返しです。
右
具体的な勘違いでいうと、まず飲み物。コーヒーをよく飲まれるんですよね。
左
朝や仕事中、冷えを感じたらすぐに熱々のホットコーヒーでカラダを温めるのが習慣です。
右
ところが、一瞬は温まりますけど、カフェインにはカラダを冷やす作用もあるんです。牛乳もカラダを冷やすので、カフェラテはさらに冷える組み合わせです。もちろん気分転換にはとてもいいので避ける必要はありませんが、冷え性対策したいならカラダを冷やしにくいカフェインレスのコーヒーや、逆にカラダを温める作用があるシナモンが入るチャイや、豆系も良いので黒豆茶などもおすすめです。
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コーヒーは、カラダを温めるというよりはリフレッシュやリラックスのためという感覚で楽しんだほうがよさそうですね。それから、野菜はカラダを冷やすイメージがあるので普段より控えているのですが、、、やはり良くないでしょうか。
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野菜自体を避けるのは良くないですね。冬は根菜がおいしい季節。ダイコン、ゴボウ、レンコンといった根菜は血行と代謝を良くしてくれる野菜。またニンジン、カボチャなど加熱すると血行促進の作用が高まる野菜もありますから、温かいみそ汁やスープ、温野菜にして食べるのがおすすめ。特にチゲはたくさんの野菜に豆系の味噌と豆腐と、カラダを温めてくれるものが揃っています。

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【レシピあり】寒い季節は根菜たっぷりスープで、からだを芯からポカポカに

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内側からカラダを温める野菜を意識するといいんですね!
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あと、ショウガも積極的に摂られているんですよね。
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はい!ショウガを色んな料理に投入しています。生のほうが効きそうなので、そのまま多めに添えることも多いです。
右
生のショウガは摂り過ぎないように注意。生のショウガはカラダを冷やす作用があります。味噌汁や料理に入れて加熱するのもいいですね。
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食べれば食べるほど良いわけではなく、食べ方や量にもコツがあるんですね。適量を心がけます。

カラダの中から温める食の組み合わせとは

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先生。冷えの根本的な原因は、どこにあるのでしょう?
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食習慣の観点から挙げられる原因のひとつは、「カラダのエネルギー不足」です。カラダの中のエネルギーが不足している状態で温かいものを入れても、パーッと温まるけどそのあと体温は急激に下がってしまいます。例えていうならバーベキューで、炭がないのに着火剤と紙だけで火をつけている状態。一瞬温かいけれど、炭がなければ持続して燃えてくれないですよね。
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冷え性はカラダからのエネルギー不足のSOSサインでもあるということですね。では持続させるために必要なエネルギーというのは?
右
「炭水化物」、「脂質」、「タンパク質」です。特に、主な燃料となるのは炭水化物です。大事なのは自分のカラダの中から熱を作り出すことです。それを理想的に可能にする食事があるのですが…。
左
そ、それは…?
右
ごはんとみそ汁です。
左
そんなにシンプルなものが!
右
でしょ?(笑)ごはんはカラダを温めるエネルギーが強いんです。そこに同じように温めてくれる味噌をあわせる。これを基本にして主菜でタンパク質などもちゃんと摂れるようなバランスのいい食事が、カラダの中でエネルギーを作ってくれるんです。
左
なるほど!それでみそ汁に根菜やショウガを入れたり、温まるものを組み合わせていけばいいんですね。ホットサラダと適量のショウガドレッシングとか…。

 

【管理栄養士監修】おすすめレシピ
ぽかぽかしょうがの炊き込みご飯
たっぷりきのこの豆乳味噌汁
れんこんのホットサラダ

朝食が最も重要なタイミング

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そのために食べる時間も意識してください。朝は1日の中でも重要なタイミング。睡眠によって体温が一番下がっている時間帯なので、ごはんとみそ汁でカラダの中から体温を上げていただきたいです。その際は咀嚼もしっかり。よく噛んで食べることでごはんがエネルギーに変わりやすくなります。体温が下がったままだと、臓器の活動が低下して病気になりやすい状態になってしまいます。
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睡眠の間に体温が下がってしまうのですか?
右
新陳代謝が活発になって、たくさんのエネルギーが使われるためです。ですから夜の食事も大切。夜ごはんを抜いてしまうのも、冷え性対策としては良くありません。
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朝晩にごはんを食べてしっかりエネルギー補給。これも対策ですね。
右
とはいえお忙しいでしょうから、お味噌汁は一度に多めに作っておいたり、自家製のインスタントみそ汁「みそ玉」もいいですよ。朝や会社でのランチでお椀やマグカップに入れてお湯で溶くだけです。

▼みそ玉の作り方
ラップにスプーン1杯の味噌とかつおぶし、好みの乾燥野菜や高野豆腐などをくるんで冷蔵庫に入れて保存する

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無理せず普段の暮らしの中でできることですね。ベースを大切にして、季節の食材も楽しみながら取り組んでみます!

取材・記事 岩瀬大二
イラスト なとみみわ

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